管理者視点と起業家視点

後援会活動を通じて色々な方々とお話をする機会の中で、どこにお住まいかによって悩まれている事柄が異なるのが良く分かります。高齢化が一斉に進む団地で老後の不安を抱える定年男性、山の袂で雨が降ると水かさが増し勢いよく流れる上蓋のない側溝に怯える男性、郊外で交通網の不便さに困る女性、市街地でバリアフリー施設や情報を求める障がい児を抱える女性、山々に囲まれた田畑が鳥獣被害に遭い困っている女性。

地理的に散在する多様な不満や要望は、経済も人口も右肩上がりの時代であれば細分化された担当部署が其々解決策を作って対応してきました。しかし、高齢者が人口の多くを占め、社会保障歳出が増えて歳入が限定される見込みであるならば、イ)多くの不満や要望を一度に解決する施策を模索し事業予算を一本化する事で歳出の合理化を図るか、ロ)担当部署が抱える数多くの施策を戦略的に選択し投下資産を特定事業に集中させることで収支を合わせるか、の2択になります。

イ)が行使できる環境として、1)規制緩和や新技術の到来など時代が後押ししてくれている、2)各事業に非合理性を抱えたロングテールが残っている、などが前提条件になりますが、現代社会を見渡していかがでしょうか。自動運転車、人工知能をはじめ、色々な新技術が芽生えて、実証を通して、日進月歩、我々の日々の暮らしに根付き始めています。イ)に取り組む環境条件が整い始めているのです。

では先のお悩み事はどのように解決できるでしょうか。私は人工知能を搭載した自動運転車は、上手く活用できると考えています。高齢化が進む団地の見守りパトロールをしたり、雨が降り水かさが増す日には朝夕に注意喚起を鳴らして回ったり、郊外在住の方々の交通機関となったり、社会的弱者のバリアフリー交通機関となったり、鳥獣を寄せ付けないよう被害防止パトロールして回したりできます。これらは季節、日時単位で役割を決めることで実現できるのではないでしょうか。

社会福祉を充実化させ、社会的弱者を全て救済する事を理想とした場合、歳出が膨らみ大きな政府となってしまざるをえません。そのための財源を確保するために増税は必至となります。しかし、起業家視点を持って解決する仕組みを模索すれば、増税を避けながら強い要望を持った少数の人々で構成される数多くのグループに応える事はできるでしょう。この仕組みを入札方式によって民間委託できれば、小さな政府ながらも大きな政府のような役割が実現できるのではないでしょうか。