外来文化を取り入れるDNA

ニッパチの法則という言葉を聞いたことがあるでしょうか。物事や事象を分類していくと、それらを2:8に整理できます。何らかの管理を施行した場合、管理対象が同じように2:8に分布します。効果を更に高めるために物事や事象を更に分析して、新たな管理を取り入れる場合でも、事象は大概同じように2:8で表されます。

これは全てのエネルギー体を支配している自然法によって生じるボルツマン分布であり、管理や基準を設けると必ず生じるものです。我々の普段の生活を、法律、政令、条例、契約、規則、暗黙知、価値観、文化といった循環的な管理基準に当てはめてみても、結果としてボルツマン分布で表わすことが出来ます。

管理者は、この効果を更に高める行為によって事象を更に分析し、より厳密に管理する行為によって期待した結果を安定的に生み出すようにしています。ヒヤリハットで馴染みのあるハインリッヒの法則は、ニッパチの法則を厳格化したものです。我々が閉塞感を感じるときは、管理基準によって環境や産物が滞留しているときではないでしょうか。

トランプ氏の当選やドゥテルテ大統領は、現代社会を生きる人々が感じている閉塞感を抜本的に解決して欲しいという期待の現れであるようにも見えます。しかし、これからの社会で人工知能が席巻していくのであれば、人工知能を推進するという健全な自虐性を伴う政策を除き、彼らの抜本的な施策であっても社会の閉塞感は無くならないと思います。

人工知能がこれからの管理の王道となるならば、確実に先の循環的な管理基準の本質的なところまでにメスを入れるでしょう。これに対する保守勢力が、かつてのインターネット導入反対運動のように人工知能反対運動として生まれるかもしれません。しかし、この妥協策として人口知能の導入を遅らすことは好ましくないです。

実際、パソコン、インターネット等に適応できなかった人々は、今でも有料パソコン設定サービス料金を支払っています。導入を遅らすという事は、先行者との水をあける行為です。これはかつて武士の価値観を頑なに正義として、開国を遅らした行為と等しいです。しかし、結果としてグローバル化という潮流は、日本の開国を余儀なくさせました。

古き価値が蔓延している限り、それに基づいて成立している管理や基準の抜本的な見直しは有りえません。旧ソビエト連邦が崩壊した際に、すぐに変化に適応した方々の姿勢や考え方から学び、それを老若男女問わず利用できる多様な学習支援制度を整備することも必要です。日本の外来文化を導入して在来文化と融合化させるDNAは失ってはいけません。

現在の生活や価値基準のみ主眼におくことで人口知能の導入を遅らせれば、我々の子孫の将来を遅らせる行為、将来の負債となって返ってくるでしょう。これは、情報があると困るから情報化しない分野についても同じ事が言えます。今から情報として蓄積していけば、人工知能が最適な解や管理基準を試算演算処理したり提示したりしてくれるでしょう。

“存在しない”情報であっても、他者に先駆けて今から集めておくことで、これからは人工知能が指定するモデル都市としての注目を集めるかもしれません。暫くは針のむしろに座らされるかもしれませんが、将来的には意思決定を更に遅らした組織と比して優位性が生まれてくるでしょう。後発で集めたとしても針のむしろに座るのだから。